にっぽん応援ツーリング2024 地域交流イベント
Vol.03「山形県遊佐町で金俣そばを打って食べよう!」を開催しました!
にっぽん応援ツーリング2024のテーマ「つながるバイク旅」に連動した新たな試みとして始まった地域交流イベント。
先日、9月15日には山形県遊佐町で、地元名産の「金俣そば」を使ったそば打ち体験会を開催しました。
写真提供:四季の森しらい自然館
会場となるのは雄大な鳥海山の麓にある「四季の森しらい自然館」。当日は時折強い雨が降る不安定な天候でしたが、にっぽん応援ツーリング2024の参加ライダー5名が集まりました。
また今回は、協賛企業のひとつ「東京電力リニューアブルパワー」の方々も一緒に参加してくれました。
左から、志賀さん・赤沢さん・畠中さん・浅井さん
東京電力リニューアブルパワーで風力発電を推進する志賀さんより下記の挨拶がありました。
「私たちとライダーには”風”という共通点があると思っています。ライダーは風を愛し、風と共に走る素敵な人々ですが、私たちの再生可能エネルギー開発も、風がなければ成り立たないものです。あらためて風の恵みに感謝したいです」
四季の森しらい自然館の髙橋館長とそば打ちを教えてくれる講師の方々。
今回は金俣集落で栽培されている「金俣そば」を使用。木村さん、佐藤さんも金俣そば打ち会のベテランです。
まずはお手本として、木村さんによるそば打ちの実演がスタート。その横で佐藤さんが細かなポイントを説明してくれました。
まずは、きめの細かいそばの粉をふるいにかけて丁寧に優しくほぐし、加えた水になじませていくと、そば粉同士がくっついて団子状に。それを延ばして木村さんが馴れた包丁さばきで麺にしていきます。
こうしてひと通り手順を教えてもらったところで、にっぽん応援ツーリング特製手ぬぐいを頭に巻いた参加者もチャレンジ開始。
矢ヶ崎さん以外は人生初のそば打ちとのことでしたが、なかには驚くほどの適応力を発揮して、職人的な手さばきでそばを打っていく人も。
こうして全員がそばが打ち終わり、お楽しみの実食タイム。
打っているときの所作もそうですが、同じ手順で作っても太さや細さが異なり、図らずもそれぞれの個性がにじみ出るのが面白いところ。
ちなみに「金俣そば」は香りが良いことで知られています。参加者全員がおいしいと満足気でした。なかには2人前、3人前を一気に茹でて大盛りで平らげる人も。
山形の味を楽しんだ遊佐町での地域交流イベントは、終始笑顔のうちに無事終了となりました。
ご参加いただいた皆様と、四季の森しらい自然館の皆様に心より感謝いたします。
ありがとうございました。
会場施設のご案内
四季の森しらい自然館は雄大な鳥海山の麓にあり、野外活動や、合宿、宿泊研修等にも適した施設です。
また、2名以上から利用できる宿泊施設も備えており、グループでのツーリングやご家族の旅行にもおすすめ。
地域性を活かした多彩なイベントを定期的に開催している。
鳥海山方面へのツーリングをお考えなら
会場付近、鳥海山に見守られながら咲き誇るそばの花。
遊佐町は鳥海山を望む湧水の郷。キャンプやハイキングなどのアウトドアのアクティビティーが楽しめるほか、湧水スポットを巡りも楽しめる地域です。
鳥海山方面へのツーリングを計画される際には是非遊佐町にもお立ち寄りください。
遊佐町観光協会
にっぽん応援ツーリング2024 地域交流イベント
Vol.02「東かがわ市で手ぬぐいを藍染めしよう!」を開催しました!
にっぽん応援ツーリング2024のテーマ「つながるバイク旅」を具現化したものがこちらの地域交流イベント。好評だった前回の宮城県七ヶ宿町に続き、今回は香川県東かがわ市の五名(ごみょう)地区で藍染めとジビエBBQを楽しむ催しを開催しました。
参加者が集合したのは、こちらの 「産直カフェ 五名ふるさとの家」
五名育ちのヒノキと伝統工法で建てられた「産直カフェ 五名ふるさとの家」は、山の自然と共存してきた地域の文化や、住民の想いが込められた五名地区のランドマークともいうべき存在。山里の特色を生かした様々なイベントを開催しながら、地域文化を発信している施設です。
今回は、酷暑にもめげず、中部、山陽、近畿の3地域から、#35 岩坪さん、#171 溝下さん、#806 林さん の3名にご参加いただきました。
藍染め体験は「五名ふるさとの家」のすぐそばにある「のうさぎカフェ」にて開催。
「のうさぎカフェ」は、オーナーの大隅知岳さんが育てる有機野菜をたっぷり使ったランチが人気の古民家カフェです。併設のギャラリーは、お母さまの夏江さんのアトリエとなっており、藍の他にも季節の植物を使った染料での染物やハタ織り機を使ったコースター作りが体験できます。(予約制)
大隅さんと夏江さんにご挨拶をして、早速、藍染めについての基本的な知識について説明してもらいました。今回参加の3名はいずれも藍染め初体験。「なぜ藍で染まるのか?」など、基礎から丁寧に教わっていました。
草木染織作家として活動する夏江さん。約30年前に旦那様の故郷である五名に移住してアトリエを構え、自然に根差した暮らしをしています。
夏江さんが手にしているのが「タデ藍」という植物で、これが藍染めの染料となります。このタデ藍は夏江さんご自身が種をまき、手塩にかけて栽培しているもの。
「より良い色にこだわるなら、まず種まきから」
夏江さんのそんな言葉に、自然と結びついた暮らしの豊かさを感じます。
中には深い色の藍が満々と。夏江さんが丹精込めてつくりあげた染液です。
こうして藍の基礎知識を学びながら、五名の豊かさを感じたところで、いよいよ実践に移ります。今回は地域交流イベントの参加賞としてお渡しした、にっぽん応援ツーリング特製手ぬぐいを藍染めします。
ゴムで硬く縛り、藍の色素を入れるところと入れないところを調整します。この工程を終えたら次は「染め」の工程。手ぬぐいを染液に漬け込み、3~5分ほど布に色素を馴染ませます。これでは手ぬぐいの柄が消えてしまうのでは?と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。さて、どうなるでしょう。
染液から手ぬぐいを取り出して軽く絞ったところです。最初はこんな感じの緑色をしていますが、広げて空気に触れさせていくと、3~5分で鮮やかな藍色になっていきます。ちなみに、手ぬぐいを広げているオレンジのTシャツの方が大隅知岳さんです。
こうして、染液に入れて空気に触れさせるという工程を繰り返すと、藍の色を深くすることができます。写真をよく見ていただければ分かりますが、プリントされている部分には色素が入らないため、元の柄もちゃんと残っています。
まずは絞りの道具をつけたまま乾燥させます。当日は天気が良く、すぐに乾きました。
絞ってあった部分をほどくとご覧のような模様になります。狙い通りに染まったでしょうか?
出来上がりに満足。思わずパチリ。
後はお日様と風にお任せです。
染色した手ぬぐいを乾かす間、夏江さんと参加者でトークタイム。夏江さんが若い頃に国鉄で北海道を全制覇したことなど、興味深い話も飛び出しました。そのあとは素敵な作品が展示されている夏江さんのギャラリーを見学しました。
夏江さんのギャラリー(写真提供:東かがわ市観光協会)
いよいよ完成!模様の位置や色の深さも3人3様。それぞれ個性的な手ぬぐいに染め上がりました。
夏江さんがそのアイデアに思わず感心したのが溝下さんの作品。ご本人は残念ながらエントリーできなかった日本縦断ラリー「POLE to POLE」に参加するライダーへエールを送る気持ちを込めて作ったそう。東西の角に太陽を表す絞り模様を配し、スタート/ゴール地である佐多岬と宗谷岬にもそれぞれアクセントを付けてあります。
こうして3人の作品ができ上がり、藍染め体験は終了。その後は「五名ふるさとの家」に移動して、メイドイン五名のジビエBBQを味わいます。
五名では例年12月第1日曜日に豪快なイノシシ料理を振舞う地区の一大イベント「五名いのしし祭り」が行われます。今回のBBQではイノシシ肉はもちろん野菜も五名産。参加者の皆さんも「野菜も肉も新鮮でとにかく美味しい!」と大好評でした。
写真提供:五名ふるさとの家
イノシシ肉をさばいているのが、五名ふるさとの家を運営する飯村さん。北海道出身の飯村さんは猪の狩猟や調理に造詣が深く、全国各地に移り住んだのち、ジビエの解体処理施設がある五名に移住・定住したとのこと。
写真提供:五名ふるさとの家
五名は古くから林業と共にある地域で、近隣には炭焼き小屋もあり、最高級のクヌギ・コナラ・カシから作られる五名の黒炭は、火力が強く、質の良さに定評があります。BBQで使えば肉の味がさらに良くなり、ジビエとの相性も抜群。今回、その魅力に感動してお土産に買って帰った方もいたほど。
食後は赤しそジュースでさっぱり。写真、左から2番目の女性は今回の交流イベントのために尽力してくれた東かがわ市観光協会の松井さんです。
今回のイベントは参加人数こそ少なかったですが、地元の方の素晴らしいおもてなしもあり、地域の魅力を存分に感じることができたのではないでしょうか。東かがわ市の五名地区は人口約300人という小さな集落ですが、移住者が増え続けています。ここには自然と共存する豊かな暮らしがあり、今回参加した3名のライダーは、そこに大きな感銘を受けたようでした。
最後に参加いただいたライダーの感想をご紹介します。
溝下さん:
今回は貴重な体験に参加できとても楽しい時間を過ごすことができました。
林さん:
本当に良き体験させていただきました。少人数だったので、ファミリー感強くとても楽しめました。五名はホント素敵な所でした。一生忘れられない思い出になりました。
岩坪さん:
今回は貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。次回はどこかな?楽しみに待ってます。
我々はスマートフォンひとつで世界中の情報を得られる時代に生きていますが、旅の本質的な魅力というのは実際に体験しないと得られないものばかりです。はるばるバイクを走らせ、訪れた土地の風土や文化に触れ、そこで生きる人々と言葉を交わす――そんないつの時代も変わらぬ旅の醍醐味をこの地域交流イベントを通じて味わっていただければと思っています。
五名はイベントが盛りだくさん
今回会場となった五名ふるさとの家では1年を通じて、山里らしい様々な催しが開催されています。
夏から秋にかけては、おいしいものあり、文化を学べるものあり。ご家族と一緒に楽しめるイベントもあります。
「五名で遊ぼう」(五名活性化協議会HP)に五名地区のイベントのご案内がありますので、是非お出かけください。
近隣の宿泊施設のご案内
1年を通じて楽しめる五名地区。
今回会場となった五名ふるさとの家から徒歩約5分の所に「農家民宿 五名やまびこの宿」があるので、ご遠方からでも安心です。
是非一度、五名の風情にゆったりと浸ってみてはいかがでしょう?
にっぽん応援ツーリング2024 地域交流イベント
Vol.01「宮城県七ヶ宿町でかまどごはんを炊こう!」開催しました!
にっぽん応援ツーリング2024では「つながるバイク旅」というテーマを具現化する試みとして、いくつかの「地域交流イベント」を開催予定です。
5月11日にその第一弾となるイベント「宮城県七ヶ宿町でかまどご飯を炊こう!」を実施したので、そのレポートをお届けします。
こちらが今回の会場となった七ヶ宿くらし研究所。築130年の古民家を改装したもので、地域定住促進を目的とした移住支援センターとして利用されており、「くらけんCAFE」が併設されています。
当日の七ヶ宿町は、青空と新緑がまぶしい絶好のツーリング日和。今回は県の内外から10名のライダーにご参加いただきました。
今回のイベントを進行してくれたのは七ヶ宿に定住7年目という、七ヶ宿くらし研究所の斉藤英一郎さん。遥々やって来るライダーの心意気に応えるため、愛車のホンダ CB400SBで来てくれました。
お米は市場に大量には流通していないという現地米「七ヶ宿源流米」を使用します。おかずは地域野菜のお漬物。今回は地域山菜を使った山菜ご飯を炊き上げます。
最初に手順の説明。「手間いらずの電気炊飯器とかまどの決定的な違いは、五感を要することです。パチパチと薪のはぜる音。煙のにおい。炎の色…。それらを見聞きしながら火力を調節し、蒸気がシューっと音を立てれば、それが火を止める合図です。今回使用する一升の釜では、15分炊いて15分蒸らすのが目安ですが、電気炊飯器と異なり、その時その時によって15分だったり18分だったりとこの辺の頃合いを計っていくのもかまどならではの楽しさです」
手際よく釜に火を入れる様子。「薪が少ないと思うかもしれませんが、アウトドアの飯盒などとは違い、釜は外気の影響を受けにくいため、熱効率が良く、少量の薪でご飯を炊くことができます。」
こうしたことも新たな発見、参加者の間から「ほぉ~」と歓声が上がりました。
「昔の人は火を安定させた後はおかずを作るなど、炊きあがるまでの時間を上手く使っていました」
ご飯が炊きあがるまでの間は自己紹介タイム。
2名が関東からのご参加。ほか8名は福島や宮城県内からのご参加でした。愛車のお話、お住まいの地域のお話、多くの方がSSTRの他JRF関連のイベントに複数回ご参加の経験があり、その中で様々なボランティアを経験されていたり、またある方はイベントを立ち上げられていたりと、色々なお話を伺うことができた自己紹介タイムとなりました。
こうしてごはんも炊きあがり、いよいよお釜をご開帳。
「待ってました!」とばかりに、全員がスマホを構えでお釜を取り囲むなか、ふたを開けると、ふんわりとした湯気と共にまろやかな香りが広がり、自己紹介では硬かったみんなの表情も、まるで絵文字のようなニコニコ顔に。早速全員で配膳に取り掛かりました。
お味噌汁の具は、お隣の山形で旬だというなめこ。素朴ながらも羽州の味のオーケストラです。
美味さで会話も弾み、多くのライダーがお代わりをして、あっという間にお釜が空になりました。
食後のアンケートでは多くのライダーが「自然豊かな田舎の雰囲気が最高だった」「交流しながらこうした活動ができて良かった」「またこうしたイベントをしたもらいたい」等の感想を多くいただき、これらの言葉に所長の斉藤さんは大いにお喜びでした。
そして最後は、記念撮影。
体験会はこれにて終了でしたが、その後もしばらくバイク談議に花が咲き続けます。
耳を澄ますと、SNSで挙げられた参加者の活動を称える話や、自身で主催するバイクミーティングやボランティアイベントの話。中でも、「普段SSTRには実家の志賀町に帰省がてら参加しているが、中々現地に行けず心配だ」と話すライダーが、先日千里浜で行われたキックオフに参加してきたというライダーに様子を聞いている姿が印象的で、様々な意味で
「つながるツーリング」のミッションを果たせた地域交流イベントとなりました。
「街道」の文化をより多くの人々に
会場前の街道は、仙台と山形、更には新潟へと通じる国道113号線。
蔵王スカイバレーとのアクセスも良く、東北南部周遊ライダーたちご用達のツーリングルートで、宮城・山形・上越といったナンバーのバイクたちが実に気持ちよさそうに駆け抜けて行きます。
斉藤さん曰く、「この町には信号が一つしかなくて、渋滞という言葉とも無縁、だからとても走りやすいんですよ」とのこと。
その言葉通り、走ってみると実に気持ちよくストレスフリーな道でした。
イベント終了後、筆者が所長の斉藤さんに「こうした田舎ならではの空気感に、もっと多くの人に体感して欲しいですよね。」とお話を向けると斉藤さんは、
「そうですねぇ、例えばこの辺は芋煮の文化があるのですが、東側は仙台風と言って関東で言うところの豚汁、西側はいわゆる芋煮(醤油だしで牛肉を使ったもの)になるんですよ。つまり、ここは参勤交代の時代から羽州と奥州を結ぶ宿場町として、互いのの文化がうまく融合している地域であり、人をもてなす文化も根付いている土地なんです。
なので、私たちは多くの人々に、七ヶ宿町に限らず、この街道が育んできた文化に触れていただきたいと思っているんです」。
そう穏やかに語る斉藤さんの言葉は、少しの薪でもしっかりと燃える、かまどの炎のようでもありました。
今回会場となった七ヶ宿くらし研究所では、年間を通じて農業体験や植樹体験の他さまざまな催しが企画されていますので、そういったイベントに参加しながら七ヶ宿町を訪ねてみるのも良いでしょう。
七ヶ宿町のイベント等の情報は、七ヶ宿くらし研究所公式ホームページへ