top of page

にっぽん応援ツーリング2024

ファイナルミーティング開催レポート

集合写真_edited.jpg

多くのライダーにご参加いただき、誠にありがとうございました!

イベント名:「にっぽん応援ツーリング2024」ファイナルミーティング
日時:2024年11月2日(土)10時~12時
会場:
山中湖村村営キャンプ場(地球元気村キャンプ場)

登壇者:風間深志 風間晋之介 

日本ライダーズフォーラム(JRF)救命法インストラクター 桑田幸二

東京電力リニューアブルパワー株式会社  志賀優夏      

参加人数:約60名

 当日の山中湖村キャンプ場は、時より雨が強く打ち付けるあいにくの空模様となりましたが、それでも約60名のライダーたちが日本各地から参加しました。
雨にもかかわらずたくさんのバイクたち_edited.jpg

今年4月28日(日)に能登半島からスタートした「にっぽん応援ツーリング2024」も10月末をもって終幕。山中湖村キャンプ場に集まったライダーたちと、今年の旅を振り返りました。

バイクの有用性をもっと社会貢献に活かしたい

 冒頭のあいさつに立ったJRF代表 風間深志は、今年の各地で行われたイベントをはじめ、様々な活動に参加いただいた皆さんに感謝を述べながら、今後の抱負について述べました。
_DSC5637_edited.jpg

 今年は大きな災害に見舞われましたが、これまでの災害同様、バイクの機動性を活かした多くの地域の支援活動を行いました。

 バイクをもっと社会のお役に立てるようにする!そうすることによって二輪ライダーが走りやすい社会環境が得られるようになる。

 その一つ、昨年から私た二輪ライダーによる自然への啓蒙活動「へそミーティング」を開催し、自然との関わりについて深く考え行動するライダーを増やしています。

 また女性専用のツーリングイベント「マザーレイクラリー」では琵琶湖の環境保全活動に寄与しながら、女性ライダーを社会に増やし、女性の社会への進出・地位向上に一役を買っています。

 そして、今年は新たに「三霊山ツーリング」なるものを広域の地域自治体と協力しながら開催し、新しい視点からのツーリングの開発と啓蒙によって、地域観光事業への協力も実現できるなど、今年は昨年を上回る多くの参加者を集める事が出来ました。

   SSTRにつきましては、今回、開催までに多くの心配をいただきましたが、地元の方々と協議を重ね、情勢を見定めた上での開催となりましたが、その結果、多方面からの協力の基、全国より14,000人ものライダーを集めて、開催のテーマとした「能登応援」の旗印の元、15日間の全日程を大好評の内に完遂できました。参加していただきました多くのライダーの皆さんと、惜しまないご協力を下さった地元の皆さんに心からの感謝を申し上げます。

ライダーたちの様々な活動を紹介

    続いて、JRFダイレクトマネージャーの風間晋之介が今年の「にっぽん応援ツーリング」を振り返り、各地で行われたライダーたちの活動を紹介しました。

    今年は過疎地の再興に目を向けた「地域交流イベント」の実施など新規の試みもありましたが、やはり能登の被災地域で行った「ボランティアミート」の活動が、今年を象徴するものになりました。

 

 今回は参加人数も昨年の2倍近くに増加し、「ボランティア報告メール」も昨年の約5倍に近い数がライダーたちから寄せられ、ツーリング中に行った何らかの地域貢献活動が積極的に行われました。一昨年までの「にっぽん応援ツーリング」は、4極、16極など"極点"を追っかけることにフォーカスがいきがちでしたが、昨年今年と社会貢献にむけての活動が増え、このイベントの取り組みがとても良いカタチで育っているな、、と感じでおります。

にっぽん応援ツーリング2024を振り返ろう!

先ず最初の、4月27日(土)のキックオフイベントではライダーと社会貢献についてのシンポジウムを開催。

翌日はスタートセレモニーを開催した後、能登半島の5ヶ所で海岸清掃などの地域支援活動を行いました。

輪島市門前町.jpg

輪島市門前町での被災地支援活動

ボランティア-2.jpg

穴水町での仮設団地訪問(中央は吉村町長)

珠洲市の被災牧場へ観光応援に

 さらに5月~8月にかけては毎月「能登ボランティアミート」と称して海岸清掃や被災家屋の片づけ、仮設住宅への慰問。被災した牧場への観光応援など、被災地域での支援活動を引き続き継続して行ないました。

七ヶ宿町での「かまどご飯体験」

東かがわ市五名地区での「藍染&ジビエ体験」

山形県遊佐町での「そば打ち体験」

 また他の地域での活動と致しましては、5月には宮城県の七ヶ宿町、7月には香川県の東かがわ市、そして9月には山形県の遊佐町で過疎地域の魅力を訪ねる「地域交流イベント」を開催。小規模ながらも地域の人々との交流を楽しみながら、内容あるイベントを実施することが出来ました。

 こうしたツーリングの中での奉仕活動を志すライダーが近年とても増えてきたことは大変に喜ばしいことです。

 その中でも、、

アセット 1_2x_edited.png

日本全国ゴミ拾い(写真はその中のほんの一部)

ボランティア-4.jpg

175回以上被災地支援を行ってきた美多さん

ボランティア-5.jpg

海・山・街でボランティアイベントを開催した河野さん

 全国で160回を超える美化活動を行ったライダー。

被災地支援活動に175回にわたって参加したライダー。

ボランティアイベントを自ら企画・実施したライダー。

この他にも被災地に元気をとどけるコンサートや、プラネタリウムの上映会など、素晴らしい活躍があちこちで目を引きました。

マザーレイクラリー

MiddleTeam Session in 只見

3霊山.jpg

三霊山RALLY

 この他にも今年は2回目を迎えた琵琶湖に於ける「マザーレイクラリー(6月)」や「MiddleTeam Session in 只見(7月)」、そして「三霊山RALLY(10月)」など、沢山の多彩なるイベントが行われました。

桑田さんの「ライダーのための救護法」

 各イベントの振り返りのあとは、JRFの救急法インストラクター桑田幸二さんによる「ライダーのための救命法講座」。
桑田さん―講座-1_edited.jpg

 桑田さんは、かつてバイクレース主催団体で救護隊長を務めた方で、これまでも様々なJRFイベントで、バイク事故に特化した救護法講座の講師を務めています。

 今回は数ある講習レパートリーの中から、「胸部圧迫を体験しよう」をテーマに、意識がなく、呼吸がないか又は通常どおりの呼吸をしていない要救助者の救護法を学びました。

桑田さん-1_edited.jpg

 この講座では胸部圧迫体験にフォーカスするため、止血処置や気道内異物除去、人工呼吸、AEDの操作方法については講習を省くことを前置きしたうえで、

  • 現場の安全確認

  • 要救護者の意識の確認 (※意識があれば回復退位にする)

  • 周囲の人に119への通報の要請

  • 周囲の人にAEDを持ってきてもらう (※使用時には要救護者が身に着けている金属を取り除く)

  • 胸骨圧迫の開始 

といったポイントを説明し、参加者に訓練用の人体模型を使った胸部圧迫を体験していただきました。

桑田さん―講座-どれくらい圧迫するか_edited_edited.jpg

胸部圧迫で重要なのはリズム。地球の中心に向かって約5㎝、1分間に約110回の圧迫を続ける必要があるのですが、このリズムを保つのにちょうどよいのが、ディスコナンバーとして70年代に大ヒットしたビージーズの「ステインア・ライヴ」という曲。今回はこの曲をBGMに、2分間の胸部圧迫を体験していただきました。

とにかく2分間押してみよう.JPG

 体験したライダーは口々に「これはとてもキツイ、しかも止めたら要救護者が死んでしまうので集中力も必要。」といった感想を述べていました。

 参加者の体験後に桑田さんは、「救急車到着まで平均8分30秒、一人ではかなり大変ですが、複数の人が2分ずつ交代で行うことが推奨されています。」と説明されました。

 加えて桑田さんは、「救急救命を行うにあたって訴えられるのではないか? 」という心配もあるかと思いますが、これについては、よほどの間違いか悪意がないかぎり責任を問われることはありません。

 救命は秒を争います。もし要救助者が死んでしまうと、救急隊はなすすべがありません。その場にあなたしかいないという状況に遭遇した際にはためらわずに実践してください。」とし、「今回以外にも、消防署や公民館など、お近くで救急救命講座があれば是非体験して技術を身に付けておくことをお勧めします。」と話していました。

桑田さん―講座-罪に問われないか.JPG

「二輪車事故におけるドクターヘリ導入と
          より高度な医療受給に関する制度実現に向けた問題提起」

ドクターヘリについての提言_edited_edited_edited.jpg

 今回は「二輪車事故におけるドクターヘリ導入と、より高度な医療受給に関する制度に向けて」と題して、一つ問題提起を行いました。

 

 風間深志は2004年にDAKAR RALLYに出場中、モロッコで事故に遭いました。当初はフランスで治療を受け、その後、日本での治療を受けた際、左足に機能障害を残すこととなってしまいました。

そんな経験から、海外と日本の外傷医療の質の差を痛感し、その問題を改善することを一つの目標に掲げていました。

 私はかつてドイツの救急医療の現場を視察したことがあります。ドイツでは50㎞に1か所の割合で外傷センターと言うのが設置されています。また、私が訪問したムルナウ(ドイツ)の病院でも、現場より連絡を受けたドクターヘリが2分以内に離陸でき、15分以内に現場に着き、その折り返しに15分間と、、ヘリによって搬送されてきた要救助者を1時間以内にオペが開始できる素晴らしい体制が整っていました。

 ドイツのドクターヘリの拠点は80か所。15分で到達可能な距離を保てるようにしていて、年間8万回の飛行があるのだと言います。加えて、海外では要救護者に意識がある場合、医療コーディネーターとの相談で受けたい医療を選ぶことができる体制があります。

 日本の場合、外傷による緊急搬送では総合病院や整形外科医院といった所に搬送されるのですが、医師や病院によっては得手不得手もある。そうした課題をドイツの大型"外傷センター"に見るように、外傷(怪我)にまつわる各種専門医を全部揃えて、24時間体制でスタンバイしてくれている。

 

 比べて、日本には外傷(トラウマ)治療の専門医を持つ病院は、海外に比べて数も少なく十分とは言えません。

 そう言った課題に正面から取り組み、外傷専門医による本格的な医療チームを組織し"外傷再建センター"と命打った我々バイク乗りにとっては最も頼もしい外傷医療の救援システムを作ったお医者さんがいる。

 その人の名前は松下 隆先生といい、実は僕の主治医として2004年のDAKAR RALLYのモロッコの事故からお世話になっている。

 その時フランスで暫く治療を受けていた僕は日本との医療の違いを少々感じでいました。

IMG_9694_edited_edited.jpg

        松下 隆先生 

2022年のファイナルイベントで

 日本への医療搬送後、僕は恐る恐る松下先生に聞いてみた、、「先生、日本は欧米などと比べて医療は遅れているのではないでしょうか?」 すると先生は「ハイ、遅れています。特に外傷医療は10年いや2、30年遅れているのが現場です」と、答えてくれた。

 

 それからずっと、先生は国や団体

 

必要性を社会に訴えながら、高度な医療体制の広範化の実現を目指していきたいと考えています。

  要点としては、目指すのはいざというときに、適切な医療を受かられる仕組みを作り、誰もがより安心してバイクに乗れる社会の実現。

風間深志が以前から抱いてきた構想なので、皆さんにも共有していただけたらと思います。

風と共にある社会を

今回会場には「風ポイント」の設置にご協力いただき、遊佐町の地域交流イベントにもご参加いただいた、東京電力リニューアブルパワーの風力部の方々が参加されていました。

東京電力リニューアブルパワー志賀さん_edited.jpg

 志賀優夏 課長があいさつに立ち

「にっぽん応援ツーリングのサポートも今年で2年目を迎えました。私たち東京電力風力部とライダーの皆さんとの共通点は「風」です。 

私たちはこの天然の資源を活かして、快適な電力を提供していきます。」と、挨拶をされました。

この後は、風間深志の未使用品争奪じゃんけん大会で大いに盛り上がり、ミーティングは滞りなく終了。

お昼に、おにぎりとあたたかい豚汁がふるまわれ、その後お開きとなりました。

豚汁のふるまい.JPG

 当日会場では、能登半島震災復興支援金を募っていました。

 

集まった額は、約40,000円

 

こちらは全額 JRFと連携している日本赤十字社石川県支部にお渡しし、被災地復興に役立てられます。

 

ご協力ありがとうございました。

こうして今年のにっぽん応援ツーリングは、例年以上の盛り上がりを見せて閉幕しました。

来年もさらに充実した旅を提案し、社会により一層貢献できるイベントとなるようにしたいと思いますので、来年も多くのライダーのご参加をお待ちしています。

一般社団法人日本ライダーズフォーラム 一同

bottom of page